概要

画像「伝の心」

株式会社日立ケーイーシステムズ様が手掛ける、重度障がい者用意思伝達装置「伝の心(でんのしん)」は、病気などで身体の自由が奪われ、会話が困難になった方を援助するコミュニケーションツールである。身体の一部をわずかに動かすだけで文字入力ができ、周囲に意思表示が可能となる。コミュニケーション手段の多様化により、インターネットやメールの送受信は意思伝達装置に必須の機能であった。その機能を効率よく実現するために、当社製品「ComponentOne Studio」と「Secure iNetSuite for .NET」を導入いただいた。これにより工数が削減され、短期間での開発を実現することができたという。

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「伝の心」の特長とComponentOne Studio導入の経緯

病気やさまざまな要因により、発話ができず身体も不自由になった方の意思を表現するために開発されたのが、重度障がい者用意思伝達装置「伝の心(でんのしん)」である。“文字盤”と呼ばれる50音の平仮名が記載された画面をカーソルが順番に移動し、自分が示したい文字にカーソルが合った時にスイッチを押すことで文字が入力される。このスイッチは、指先や頬、まばたきといった、身体のごくわずかな動きだけで感知が可能なため、ユーザー様の動かせる部位に合わせて選択することができる。この操作で文字を入力することにより、声を出すことができなくても、文章で周囲に自分の気持ちを伝えられる。

画像「株式会社日立ケーイーシステムズ 平野茂木様」
情報機器ソフト設計部
技師 平野 茂木 様

「健常者が伝の心を使うと、とても遠回りで面倒な操作に感じると思います。しかし、身体の自由がきかない方にとっては、スイッチを押下するだけでも大変な作業です。また、1つのスイッチですべての機能を実行するため、極力操作回数を少なくすることが求められています。」そう話すのは日立ケーイーシステムズの平野茂木氏。長年『伝の心』の開発に携わってきた平野氏は、このシステムのメンテナンスやサポートのために、利用している遠方のユーザー様の元へ自ら出向くこともあるという。

1997年に発売して以来、さまざまな改善を行ってきた。文字盤からの入力が進化して、定型句の入力や、入力した文章の音声による読み上げといった機能が追加された。インターネットの普及により、2001年にインターネットやメール送受信の機能を追加したところ、ユーザー様から非常に喜ばれた。それ以来、インターネットやメールをより使いやすくすることが、機能改善の重要なポイントとなった。

「2007年に製品の大幅なバージョンアップがありました。その際、ワンタッチで目的の機能を実行するという装置の特性上、操作性の部分の開発に時間がかかっていました。また、メールの開発にはかなりの工数を要することから少しでも開発工数を削減できないかと考え、ComponentOne StudioとSecure iNetを導入することが決まりました。」(平野氏)

開発工数を削減するために何ができるかを情報収集していた時に、WebサイトからComponentOne StudioとSecure iNetSuite for .NETを見つけたという。では、当社製品は実際にどのような場面で開発に貢献できたのか、ポイントを挙げていただいた。

ComponentOne Studioが貢献できたポイント

“FlexGrid”コントロールでメールの一覧表示を簡単に実現

ユーザー様からリクエストの多いメール機能に関して、受信トレイ、送信トレイといった一覧表示の画面を短期間で効率よく実装することができた。

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Secure iNetSuite for .NETが貢献できたポイント

メールに必要不可欠な「添付ファイル」の機能をスピーディに実現

製品のバージョンアップを行う2007年以前は、メール機能を標準コントロールで実装していた。Secure iNetSuiteを導入することで、日本語を含む メール送受信の機能を効率よく実現できた。特に、添付ファイルの処理の部分はスピーディに実装できたと感じている。

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画像「メール画面~受信トレイ~」
メール画面~受信トレイ~

今後に向けて

発売以来、周囲とコミュニケーションが取れずにお困りであったユーザー様から多くの支持を得てきた同製品は、リリース直後にはテレビに取り上げられるなど話題になった。意思伝達装置という市場の中で誰もが知る製品となっている。インターネットやメールの機能に優れているという点で、同製品を選択するユーザー様も多いのだという。ユーザー様からの声について、日立ケーイーシステムズの大橋氏は次のように話す。

画像「株式会社日立ケーイーシステムズ 大橋聖子様」
情報機器ソフト設計部
大橋 聖子 様

「インターネットとメールの機能を実現したことで、ユーザー様が弊社ホームページを検索し、お寄せくださるケースも多いんです。『送信メールでファイルを添付できるようにしてほしい』という要件は、このケースで採用した機能なんですよ。」
さらに大橋氏はこう続ける。「もちろんすべての要望に応えられるわけではないのですが、ユーザー様が伝の心を使って私たちにメールを送ってくれていると思うと本当に嬉しいです。これからもユーザー様のお役に立てるよう、操作性の改善や機能追加を進めていきたいと思っています。」

「伝の心」は、パソコンをベースにスイッチやセンサーなどの入力装置を組み合わせ、筆談や会話のできない難病者のコミュニケーションを支援する専用装置である。そのため、新しいOSが登場する度に動作確認も随時行われているが、ComponentOne Studioはサブスクリプションサービスの一環として迅速に新環境に対応しているため、開発環境の側面からも同社に貢献できているという。

グレープシティでは、難病のユーザー様をサポートするという画期的なシステムに当社製品をご利用いただいていることで、これまででは感じえない新たな気付きが多くあった。間接的ではあるが、社会福祉活動の支援に関わっていることを意識し、より責任感を持って製品の向上に努めていきたい。

画像「株式会社日立ケーイーシステムズの皆様」

●本記事は 2015年12月現在のものです。

株式会社日立ケーイーシステムズ様

画像「株式会社日立ケーイーシステムズ」
所在地 本社
千葉県習志野市東習志野7-1-1
設立 1980年
会社概要 産業分野、流通・サービス業、フードサービス業といったさまざまお客様に向け、ソリューション開発、ソフトウェア受託開発、ソフトウェアパッケージ開発やユニークなハードの開発、保守管理にいたるまで、幅広い事業を展開している。
URL http://www.hke.jp/